日本緩和医療学会 第19回学術集会

大会長挨拶

これでいいのだ!
~第19回日本緩和医療学会学術大会開催に際して~

大会長  齊藤 洋司
島根大学医学部 麻酔科学・緩和ケアセンター

 第19回日本緩和医療学会学術大会の会長を務めさせていただきますことを誠に光栄に存じます。大会の開催にあた りまして一言ご挨拶申し上げます。日本緩和医療学会は会員1万人を超える学術団体であり、2012年には日本医学会 分科会となりました。日本における緩和ケアの普及、充実は急速な勢いで進んでおり、日本緩和医療学会への期待は ますます大きなものとなっています。この中で、学術大会は、最新の科学、ケア、教育、社会の情報を収集、交換、 議論し、課題と方向性を導き出すという重要な役割を担っています。この役割を果たすべく、第19回学術大会が私達 の目指すべき方向性を共に考え、臨床や研究、教育の明日からの実践に繋げる場となることを願い、学術プログラム を企画いたしました。
 今回の学術大会は「これでいいのだ!」をメインテーマに2014年6月19日(木)から21日(土)まで神戸で開催い たします。患者さんや家族がその一瞬、そして日々を、「これでよかった。これでいいのだ!」と思える、その人ら しい生活を支える。これが緩和ケアであるという思いを込めたものです。医療者は日々の緩和ケアを振り返り、「こ れでいいのだ!」と思える緩和ケアを提供していく、これも本テーマに込められたものです。
 今大会より会期は3日間となりますが、プログラム構成は初日が教育セミナーと理事会をはじめとする会議、2日目、 3日目が主たる学術プログラムであり、これまでの大会構成と全く同じものです。多職種が集い、多くの領域を網羅 する本学会の特徴を十分に活かし、有意義な学術大会の運用を実現するため、学術集会の企画、運営の基盤となる組 織委員会には新しい体制を導入しました。具体的には、組織委員は従来の半分以下の少人数とし、組織委員会の下に 6領域の学術分野を担当するワーキンググループ(WG)を設置しました。6つの領域は、「痛み」「痛み以外の身体症状・ 治療」「精神・心理・社会的ケア・倫理的問題」「チーム医療・緩和ケアデリバリー・概念」「特定集団に対する緩和ケア」「教 育・啓発・研究」としました。各WGで各担当領域において十分に企画案を検討し、これを組織委員会での全体審議 に諮り決定するというシステムです。これに特別講演などの会長企画を加え、学術プログラムとしました。特別講演 では、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏に「ガンと生きる」というテーマでのご講演をいただきます。そして海外招待 講演4題、国内招待講演10題、シンポジウム43題を含め94題の指定演題を企画しております。一般演題には多数のご 応募をいただき、1030題を採択させていただきました。改めまして、会員の皆様のご協力に感謝申し上げます。
 第19回学術大会が明日の緩和ケアの発展に寄与できる学術大会となりますよう、多くの皆様にご参加とともに、ご 支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

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